写真 祇園祭鈴鹿山の山鉾 出典:祇園祭山鉾連合会HP
ご神体は「瀬織津姫尊」です。
○故百嶋氏説では大戸門辺尊は櫛稲田姫
○櫛稲田姫を祀る神社
○櫛稲田姫のまたの名瀬織津姫
○瀬織津姫を祀る神社
1.櫛稲田姫命
(1)櫛稲田姫とスサノオの御子
瀛津世襲足姫(おきつよそたらしひめ)またの名武内足尼(たけしうちすくに)と長髄
彦(ながすねひこ)またの名岐神(くなとかみ)。
(2)スサノオの暴挙
①原因
神武天皇がスサノオの姉神俣媛(かみまたひめ)(『記』は阿比良比賣(あびらひ
め)、『紀』では吾平津媛(あいらつひめ)と表記)を離縁し、神武天皇の使神「神沼河
耳命(かみぬまかわみみのみこと)」に下賜したことです。
②スサノオによる神沼河耳命征伐の行動
討伐は、肥後・日向国境一帯で戦闘が始まりました。この戦いは武力に秀でたスサノオ
軍の一方的勝利に終わり、神沼河耳命は阿蘇多氏統領の座を追われ、大和へ逃げ延びまし
た。
この討伐行動は「九州王朝神武天皇への挑戦」と捉えられました。すなわち「スサノオ
の暴挙」です。
(3)櫛稲田姫はスサノオと別れ、豊玉彦の庇護を受ける
その後、櫛稲田姫は豊玉彦を頼り、庇護下に入った後は豊玉彦の后に迎えられ、二人の
間には鴨玉依姫が生まれます。
2.櫛稲田姫を祀る神社
○八重垣神社 島根県松江市須草町
「スサノオと櫛稲田姫夫婦の宮」
「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」
写真 八重垣神社 出典:同社HP
ご祭神:素戔嗚尊・櫛稲田姫命
○稲田神社 茨城県笠間市稲田
写真 稲田神社拝殿 出典:フリー百科辞典Wikipedia (2021/08/22 8:00)
謎に包まれた神社。櫛稲田姫を唯一単独で祀る神社。創建は不詳ですが、格式は高く
「名神大社」. ご祭神:奇稲田姫之命
3.櫛稲田姫のまたの名瀬織津姫とは
Wikipediaによれば、「祓戸四柱の一柱」で、祓い浄めの女神。
人の穢れ早川の瀬で浄めるとあり、治水の神ともいわれています。
『倭姫命世紀・伊勢二所皇大神宮語鎮座次第記・中臣祓訓解』には、伊勢神宮別宮荒祭の祭神
の別名が瀬織津姫とする記述。
4.瀬織津姫のまたの名
・撞賢木厳魂天疎向津姫(つきさかきいつのみたまあまざかるむかつひめ)
・六甲姫(むかつひめ)
「六甲(むかつ)」は六甲山の名の由来
六甲山の水は、古代より「腐りにくい水」と広く認識され、船舶はこぞって飲料水として
採取していました。
・弁財天
・鈴鹿権現(祇園祭鈴鹿山のご神体)
5.瀬織津姫を祀る神社
○廣田神社 兵庫県西宮市大社町
戦前の由緒書では、瀬織津姫を主祭神とすることが明確に記述されています。
写真 廣田神社拝殿 出典:Wikipedia (2021/08/06 08:00)
主祭神:天照大神之荒御魂
○武蔵国一宮「小野神社」東京都多摩市一ノ宮
写真 小野神社本殿 出典:同社HP
主祭神;天下春命(あめのしたはるのみこと)こと豊玉彦
配祀神:瀬織津姫命
○祇園祭鈴鹿山
写真 祇園祭鈴鹿山の山鉾 出典:祇園祭山鉾連合会HP
ご神体は「瀬織津姫尊」です。
表 スサノオを中心とする家系
血縁関係 | 名前 | 生年 | またの名など |
父 | 伊弉諾命 | AD105年 | |
母 | 伊弉冉命 | AD110年 | |
姉 | 神俣媛 | AD124年 | |
本人 | 素戔嗚尊 | AD127年 | 骨正・天日槍命 |
后 | 阿加流姫 | AD130年 | 磐長姫・タカヒメ、豊玉彦の姉 |
后 | 櫛稲田姫 | AD134年 | |
長男 | 長髄彦 | AD150年 | 母櫛稲田姫、岐神・日子国意祁都命など |
長女 | 市杵島姫 | AD147年 | 瀛津島姫・スセリ姫 |
次女 | 瀛津世襲足姫 | AD152年 | 武内足尼 |
三女 | 天細女命 | AD154年 | 豊受気姫・猨女・息長津姫 |
注)生年は故百嶋氏の推定
次回は 「伊弉諾尊」(1)です。
図 「神々の系図-平成12年考」故百嶋氏作成