第十四話 第五代大戸門辺尊(おおとまべのみこと)

写真 祇園祭鈴鹿山の山鉾 出典:祇園祭山鉾連合会HP

ご神体は「瀬織津姫尊」です。

○故百嶋氏説では大戸門辺尊は櫛稲田姫

○櫛稲田姫を祀る神社

○櫛稲田姫のまたの名瀬織津姫

○瀬織津姫を祀る神社

1.櫛稲田姫命

(1)櫛稲田姫とスサノオの御子

瀛津世襲足姫(おきつよそたらしひめ)またの名武内足尼(たけしうちすくに)と長髄

彦(ながすねひこ)またの名岐神(くなとかみ)。

(2)スサノオの暴挙

①原因

神武天皇がスサノオの姉神俣媛(かみまたひめ)(『記』は阿比良比賣(あびらひ

め)、『紀』では吾平津媛(あいらつひめ)と表記)を離縁し、神武天皇の使神「神沼河

耳命(かみぬまかわみみのみこと)」に下賜したことです。

②スサノオによる神沼河耳命征伐の行動

討伐は、肥後・日向国境一帯で戦闘が始まりました。この戦いは武力に秀でたスサノオ

軍の一方的勝利に終わり、神沼河耳命は阿蘇多氏統領の座を追われ、大和へ逃げ延びまし

た。

この討伐行動は「九州王朝神武天皇への挑戦」と捉えられました。すなわち「スサノオ

の暴挙」です。

(3)櫛稲田姫はスサノオと別れ、豊玉彦の庇護を受ける

その後、櫛稲田姫は豊玉彦を頼り、庇護下に入った後は豊玉彦の后に迎えられ、二人の

間には鴨玉依姫が生まれます。

2.櫛稲田姫を祀る神社

○八重垣神社 島根県松江市須草町

「スサノオと櫛稲田姫夫婦の宮」

「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」

写真 八重垣神社 出典:同社HP

ご祭神:素戔嗚尊・櫛稲田姫命

○稲田神社 茨城県笠間市稲田

写真 稲田神社拝殿 出典:フリー百科辞典Wikipedia (2021/08/22 8:00)

謎に包まれた神社。櫛稲田姫を唯一単独で祀る神社。創建は不詳ですが、格式は高く

「名神大社」.    ご祭神:奇稲田姫之命

3.櫛稲田姫のまたの名瀬織津姫とは

Wikipediaによれば、「祓戸四柱の一柱」で、祓い浄めの女神。

人の穢れ早川の瀬で浄めるとあり、治水の神ともいわれています。

『倭姫命世紀・伊勢二所皇大神宮語鎮座次第記・中臣祓訓解』には、伊勢神宮別宮荒祭の祭神

の別名が瀬織津姫とする記述。

4.瀬織津姫のまたの名

・撞賢木厳魂天疎向津姫(つきさかきいつのみたまあまざかるむかつひめ)

・六甲姫(むかつひめ)

「六甲(むかつ)」は六甲山の名の由来

六甲山の水は、古代より「腐りにくい水」と広く認識され、船舶はこぞって飲料水として

採取していました。

・弁財天

・鈴鹿権現(祇園祭鈴鹿山のご神体)

5.瀬織津姫を祀る神社

○廣田神社 兵庫県西宮市大社町

戦前の由緒書では、瀬織津姫を主祭神とすることが明確に記述されています。

写真  廣田神社拝殿 出典:Wikipedia (2021/08/06 08:00)

主祭神:天照大神之荒御魂

○武蔵国一宮「小野神社」東京都多摩市一ノ宮

写真   小野神社本殿 出典:同社HP

主祭神;天下春命(あめのしたはるのみこと)こと豊玉彦

配祀神:瀬織津姫命

○祇園祭鈴鹿山

写真 祇園祭鈴鹿山の山鉾 出典:祇園祭山鉾連合会HP
ご神体は「瀬織津姫尊」です。

表 スサノオを中心とする家系

血縁関係 名前 生年 またの名など
伊弉諾命 AD105年
伊弉冉命 AD110年
神俣媛 AD124年
本人 素戔嗚尊 AD127年 骨正・天日槍命
阿加流姫 AD130年 磐長姫・タカヒメ、豊玉彦の姉
櫛稲田姫 AD134年
長男 長髄彦 AD150年 母櫛稲田姫、岐神・日子国意祁都命など
長女 市杵島姫 AD147年 瀛津島姫・スセリ姫
次女 瀛津世襲足姫 AD152年 武内足尼
三女 天細女命 AD154年 豊受気姫・猨女・息長津姫

注)生年は故百嶋氏の推定

次回は 「伊弉諾尊」(1)です。

図 「神々の系図-平成12年考」故百嶋氏作成

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